積ん読追加
- 水運史から世界の水へ
午前の会議が長引き、午後の会議まで時間がなく昼食を後回しに。
そのまま会議が続き、昼食抜き。とほほ
戦国時代に、ゲームや歴史小説に出てくるような「陣形」なんてなかったよ、という話。
陣形を組むためには、編制が整っており、かつそれを指揮官が統制できなくてはならない。しかし、そんなものができたのは戦国も末になってからで、かつ訓練していなくては陣形は組めない。律令時代にはそういう編成もあったが、これは対蝦夷戦などでは機能せず、むしろレンジャー的な軍の方が有効だった。それが侍となっていった。
唯一の例外が武田氏で、信玄の指示でそれに近いことをやろうとしたが、実戦では村上義清や上杉謙信の戦術に対抗できず、広まることもなかった。
実際に戦国期に行われるようになったのは、鉄砲、弓、鑓、騎馬、旗の5兵種連携の「五段隊形」だった。これは、戦国期に広まり、江戸期にも「軍役之定」として通常の編成とされた。
というのが前半の解説で、それを文献資料から読み解いている。(そんな記述はないとか、書かれているのはこういうことだ、とか)
終盤では有名な「川中島」「三方原」「関ヶ原」をそうした目で見直している。魚鱗だの鶴翼だのというのは、妄想と印象だろうというぐらいの勢いである。
謙信の車懸にいたっては、
現代的に言えば「戦術」である。語弊を恐れずいってしまえば、「ライダーキック」「ティロ・フィナーレ」のような必殺技名のニュアンスで受け止めるといいだろう。「車懸」は部隊の配置ではなく、運用を表す戦術の名称だったのである。(No.1530)
である。
島嶼防衛能力向上の一環として2018年3月に水陸機動団が新編されたが、では、それはどうやって現場まで運ぶのか?という話。
日本が守らなくてはならない島嶼が先島嶼等だとすれば、普通に考える「母艦~水際機動」ではなく「水際~水際」も可能だろう、そのメリット・デメリットや条件は何かを解説した記事。注意点は、作戦基盤に対する対地ミサイル攻撃(中国軍の短距離弾道ミサイルや地対地巡航ミサイル)と、そもそもの船艇不足。
そうするとして、具体的にはどういう改修が行われるのかの推測記事。
SRVL(斜め着陸させる)という着艦方式があり、有効そうなのだが、そのためには誘導機器が必要になる。
AIM-120Dとミーティアの比較。得意な交戦距離が異なる(ミーティアはダクテッドロケットモーターのおかげで速度が維持されるが、発射直後はアムラームの方が速い)ので、想定される使い方に合わせるという常識的な結論。中距離ミサイルとの組み合わせも考えなくてはいけない(可能範囲が被さっていてかつ空白がないようにする)
SEMA(特殊電子任務機)の解説記事。要は電子偵察機。哨戒機と似たような位置づけだが運用しているのは陸軍。センサーの塊だけれど、ぱっと見はビジネス機っぽい。
中期防に盛り込まれた新艦種「哨戒艦」。1000トン級、乗員30名というところぐらいしか分かっていないので、そこを推測した記事。
諸外国のOPV(外洋警備艦)をベースに日本の事情を考えると、海保の「くにがみ」をベースにして、機関砲(30mm)と機関銃(12.7mm)を装備して、センサーを充実させては、ということになるようだ。
「裁判とは何か?」「裁判所の役割はどうあるべきか」というのを対話形式で解説した本。
「裁判は正義の実現手段ではない」というのは「おわりに」に出てくる解説では、
国家の強制力と結びついており、相手の立場や利害関係にかかわらず一定の結論を押しつける力を持っているという意味で、より慎重に運用されるべき制度だと考えるべきかもしれない。にもかかわらず、それがこの私の正義を実現してくれる制度だという期待を抱き、行政・立法を含めた社会的意思決定を動かすという苦労の多いプロセスをかいくぐるためにあるいはバイパスするための制度であるかのように考えることは完全にあやまりであると、そろそろ言い切るべきではないだろうか。(p.238)
となる。
俗説と実態の違いの解説とか、日本と諸外国の違いとかを入門者向けに解説してくれる。
入門書なのでざっくり読めばいいのだが、色々大変だなあというのが第一印象。
以下、メモ代わり
とくに最後の部分は、司法と立法の権限の分離の話(間違いを防ぐメカニズムも異なる)なのだが、付け加えれば法曹界がしばしば科学や工学を踏みにじる問題でもあるなあ、と。