k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究 2009年6月号

軍事研究 2009年 06月号 [雑誌]

軍事研究 2009年 06月号 [雑誌]

 特集はテポドンテポドンの解説(野木恵一氏)、防衛システムの解説(多田智彦氏)、偵察・監視関係の解説(福好昌治氏、石川潤一氏)。
 野木氏の記事は、よくある誤解を正したり、推測の仕方を紹介したりしてくれており、一般向けに配信して欲しいと思った。テポドン1号の時との違い(一応通知をしてから発射したこと、白塗りにしてあったことなど)から、宣伝部門を含めたとりまとめ役が交代したのではないかと推定したり、、ミサイルの開発過程(スカッド系)と推進剤を変更することの技術的困難から考えてヒドラジン系が使われている可能性は低いと推定したり、とか。


 橋本力氏の「なぜクウェート侵攻は防げなかったのか」はインテリジェンス失敗例としてあげられるクウェート侵攻事件の解説。この失敗がイラク戦争の遠因でもあるわけですが、なぜ防げなかったのかを分析している。
 当時の米軍が掴んでいた情報、掴めていなかった情報、イラクが行った欺瞞工作なども記されている。部隊の具体的移動などはほぼ正確に把握されていたものの、脅しなのか侵攻するつもりなのか、侵攻するとしたら限定侵攻か全面侵攻か、というところで決定的な情報が無く、さらに「そんな不合理なことをするはずがない」というミラーイメージングの困難もあり、結果として政策に反映させることに失敗したということ。
 当時のブッシュ大統領は、ムバラク大統領やヨルダン国王と直接電話で会談し「フセインクウェート侵攻は脅し」という情報を聞いていたという。これもフセインの偽装工作だったわけです。
 これが日本にとって人ごとではないのは、真っ当ではない独裁者が武器を抱えて脅しをかけているのが、まさに現在の極東の状況だから。頭痛い。


 ニュースのコーナーに「アメリカ陸軍 電気自動車を採用」という記事があった。JDWの1月号に載っていた記事の引用で、4000台の電気自動車を非戦闘任務に採用(リース)したとのこと。研究開発をしているのは聞いていたが、実際に導入していたのか。