ナイトランド・クォータリーvol.12 不可知の領域――コスミック・ホラー
- 作者: アトリエサード
- 出版社/メーカー: 書苑新社
- 発売日: 2018/02/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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人間の感情の中で、何よりも古く、何よりも強烈なのは恐怖である。
その中で、最も古く、最も強烈なのが未知のものに対する恐怖である。
をもとに、不可知(が未知と同じなのかどうかはともかく)をテーマにした短編を収録している。
シナリオネタになりそうな小説も幾つかあるので、「クトゥルフTRPG」ファンが読んでもよいと思う。
「来たのは誰?」(キム・ニューマン)は降霊術士が変なところとつながってしまう話だが、少々趣が違うかな。
「音符の間の空白」(ピート・ローリック)は禁断の音楽というネタで、ラヴクラフトの「エーリッヒ・ツァンの音楽」を引用している。こういう描写は面白い。
「屍蛆の家」(ミール・プラウト)と「<マインツ詩篇>号の航海」(ジャン・レイ)とは、ストレートにクトゥルー神話風。前者はタイトルから予想できるような展開だが、雰囲気は良い。後者は異界に迷い込んだあとの描写や解釈が楽しい。