k-takahashi's blog

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エリア51

エリア51 世界でもっとも有名な秘密基地の真実 (ヒストリカル・スタディーズ)

エリア51 世界でもっとも有名な秘密基地の真実 (ヒストリカル・スタディーズ)

サブタイトルの「世界でもっとも有名な秘密基地」というのがうまい。
よくオカルトネタで出てくるエリア51だが、実のところ何をやってきたのかというのはあまり知られていない。真面目なところでは米軍の新型航空機のテスト飛行が行われていて、SR-71とかF-117とかがここで試験を行っていたとされる。

で、実のところどういう実験を行っていたのかのノンフィクション。なのだが、本書に書かれている内容はかなりひどい。冷戦期のことだからという時代的なことがあるにせよ、多くの核実験がかなり無造作に行われていたというのには驚いた。


内容的には、核実験、ステルス機の記載が多く、核実験関係では原子力委員会の、ステルス機関係ではCIAと空軍の綱引きが、それぞれ大変というか呆れるというか。
他に、原爆実験で荒れ果てた土地が月面に似ているからということで、アポロ飛行士の訓練に使われたりもしたのだそうだ。


ところで、本書が話題になった理由の一つは「ロズウェル事件の真相」についての仮説のことがある。それによると以下の通り。
エリア51にはロズウェル墜落事故の残骸がある。51というのは残骸が運び込まれた1951年であることから名づけられた。
機体はスターリンがドイツの科学者を利用して開発したもので、機体内部にはキリル文字が書き込まれていた。この機体がアラスカを突破しアメリカに侵入したのである。
機体内部からは遺体が回収された。それは宇宙人のものではなく、ヨーゼフ・メンゲレが改造した子供のものだった。
トルーマンがこのことを発表しなかったのは、アメリカも同じ事をしていたからである。


さすがにこの仮説は他の情報との整合性が低く、この部分は意図的に組み込まれてレッド・ヘリングじゃないかなと思う。(日本テレビが取材に来たという辺りは本当の情報で、そんな幹事で推測部以外はかなり事実ベースだと思うが)


UFO関連だと、試験機が墜落したときの対応の様子が、いわゆる「UFO墜落で米軍や諜報機関がうろつく」様子そっくりなのが面白かった。秘密の新型機実験ということで結構何度も墜落事故が起きていて、その都度機体の回収やパイロットの捜査・休出に苦労する様子が出てくるのだが、この動きを外から見たら、うん、よく聞く話にそっくりだ。この辺を読んでいると、UFO伝説で登場する米軍の様子ってかなりリアルなんだなというのが分かる。