k-takahashi's blog

個人雑記用

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スタートボタンを押してください (ゲームSF傑作選) (創元SF文庫)

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 作者リストを見ると、なかなか豪華なメンバー。ゲームをネタにした短編集である。出版日を見ると分かるとおり、映画の「レディ・プレイヤー・ワン」合わせに出た本で、ゲームと現実が混ざり合った話が中心。以下幾つか個人的メモ。

 

「1アップ」(ホリー・ブラック)は、病気で亡くなったネトゲ仲間の葬式に出かける若者達のエピソード。ここで奇妙なテキストアドベンチャーが登場してくる。

「キャラクター選択」(ヒュー・ハウイー)は、妻が育児の息抜きにFPSをプレイしているのに夫がふとしたタイミングで気付く。ところが、このプレイがとんでもないもので、というストーリー。

「ツウォリア」(アンディ・ウィアー)は、昔自分が書いたAIプログラムが動き続けていて、という話。このツウォリアが2ちゃんノリのネットスラングバリバリで爆笑もの。いやはや、どういう原文だったんだろうか。訳者も冴えてる。

ドクトロウとケン・リュウは面白いけど、ちょっとベタすぎかなと思った。(出来は良いし、らしい作品でもあるので、お薦めはできる) ビデオゲームをネタにして、ビデオゲームがリアルワールドの問題に関わるフィクションというのは、2019年にはちょっと迂遠な感じはあるのですよ。