チェインクロニクルから学ぶスマートフォンRPGのつくり方 (星海社新書)
- 作者: 松永純,4Gamer.net編集部板垣翔平・飯田美和,セガゲームス
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/09/27
- メディア: 新書
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「チェインクロニクル」のディレクター松永純氏による、「できるまで」と「できてから」の紹介本。
ゲームジャンルにおける総合力の結晶「RPG」を、最強ハードと言える「スマートフォン」で作れば、最強のゲームが生まれるでしょうか?
答えはずばり、YESです。(p.10)
「ただし」と続く。
1. 基本プレイ無料がRPG体験に向かない
2. スマートフォンをポケットから出して短く遊ぶ感覚がRPGに向かない
3. 運営するゲームであることがRPG体験に向かない
こうした問題をどう解決したのか、実際に運営してみて何を考え実行したのか、どのような感想を持っているか、といったあたりを解説している一冊。
この3つに対応するための基本的な方策が、「ゲームと物語を効率的に作る」工夫。
あとは、チェンクロの物語制作では、TRPGの発想で作っているとか(マスターとプレイヤーというのが、ディレクターと開発者&作家になる)、一回のプレイで読ませる文字数を1000~1500文字としている(この辺の作り方は携帯小説的)とか、世界観がゲームの足を引っ張らないように「表層設定>最奥設定」と決めたとか、キャラゲーなんだからキャラクターを産み出しやすくなくてはならないとか、ストーリーの喜怒哀楽の組み合わせをキャラ内だけでなく複数のキャラを組み合わせてもバランスするようにするとか。
私自身はチェンクロは遊んでいないが、どういう問題を意識し、どういう対策を考え、実際にどうしたかというのが分かりやすく書かれていた。会ったことないけど、この人仕事できそう。