k-takahashi's blog

個人雑記用

ラム肉の歴史

ラム肉の歴史 (「食」の図書館)

ラム肉の歴史 (「食」の図書館)

 

ラム肉の歴史を簡単に紹介している一冊。羊は小規模飼育が可能なので、それは昔も重宝したし今も有用である。(牛や豚と比べて飼料の必要量が小さい)栽培と牧畜のどちらが先立ったかはまだ論争が続いているが、羊がかなり古くから飼育されていたのは事実のようだ。そして、肉と乳だけでなく、毛や皮、脂肪と用途も広がっていく。

中盤はラム料理の歴史を世界各地に渡って解説する。ドネル・ケバブが20世紀後半のドイツで生まれたとか、インドのラム肉バーガーとかはラムのファーストフードへの応用ということだろう。

最終章の「未来の肉」はいきなり政治色が濃くなるが、小規模畜産にとって羊は有利という主張。効率で言えばもちろん鶏が有利だが、「鶏からミルクは搾れない」から羊がいいのだそうだ。この辺は数字がないのでどういう計算したのかはよく分からない。

 

訳注で面白かったのが、明治以前の庶民は羊を見る機会が無かったというところ。干支にあるだろう?と思うが、辰と同レベルの扱いだったそうだ。江戸時代にも羊毛目当てでの牧羊の試みはあった上手くいかなかったのだそうだ。