k-takahashi's blog

個人雑記用

物語の法則

物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術

物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術

 

 あらゆるRPGの始祖である会話型RPG「Dungeons&Dragons」などに幅広く、深い影響を与えたことで有名なジョーゼフ・キャンベルのヒーローズ・ジャーニー理論。それにウラジーミル・プロップのおとぎ話理論をミックスさせて独自に発展させた主要を映画に適用
(帯の著者紹介より)

 物語作成の文法書、チェックリスト、アイディアなどを整理してまとめたもの。サブタイトルには「強い物語とキャラを作れるハリウッド式作成術」とある。原題は "Secrest of Structure and Character"。

もちろん、映画の脚本作成術なので、映画脚本を書きたいわけではない私には微妙に感心がずれるのだが、参考になる部分は多い。有名なキャンベルの「ヒーローズ・ジャーニー理論」、プロップのおとぎばなしアプローチ、ホッジの環境的事実、などが説明されている。本書の狙いの一つはそうした概念や用語を整理し、話をしやすく、考えやすくすることにあるので当然のことでもある。

 

TRPGのシナリオ検討のツールとして使うことを考えると、もちろん、そのままは使えず色々と手を入れることが必要になる。

本書では、映画の脚本では「シーンは取引」と強調しているが、TRPGのシナリオだと、そりゃそうだろとなるだろう。
キャラクターの分類はTRPGでも使えるだろう。「このキャラクターの役割は○○だ。なのでこういう行動をとる」という整理は有用だろう。一方で、映画の脚本に求められるような「深みのある」キャラクターは、TRPGのシナリオには複雑過ぎる(せいぜい、シナリオに一人か二人。あとはむしろステレオタイプでないと扱い切れなくなる)。本書のリストは、「行動」が書かれていて、これはNPCの整理には有用。

 

TRPGのシナリオ作成論を考えるときの参考として有用と思う。