k-takahashi's blog

個人雑記用

七つの怪談

クトゥルフ神話TRPGシナリオ集 七つの怪談 (Role&Roll RPGシリーズ)

クトゥルフ神話TRPGシナリオ集 七つの怪談 (Role&Roll RPGシリーズ)

 昨年末に発売された、クトゥルフのシナリオ集。怪談をモチーフに7人の著者に1つずつシナリオを書いて貰ったアンソロジータイプ。1シナリオ約10ページほどの短編シナリオ集である。


 アンソロジーとするなら、もうちょっと編集(坂本雅之氏)からの縛りはきつくした方が良かったかな、と思う。(一応、真相パターンが重ならないとか、モチーフの怪談が重ならないとかそういうことはしてある。)
 できは、クトゥルフの短編シナリオとしては普通のレベルだと思う。レディ・トゥ・ランとは言い難いので、初心者マスターにはちょっと不親切かな。短い中に色々詰め込もうとすると、どうしてもNPCとの関係やシナリオ展開を限定してしまいがちなのは分かるのだけれど、対策を考えておかないとマスタリングが厳しくなってしまう。 あとは、全体に、ミス・リーディングな情報の入れ方がちょっと不用意(不親切)なのが気になった。


 ネタバレしてもしょうがないので中身の話は避けますが、書き方として面白かったのが「牛の首」(高平鳴海)。ブロック区切りした流れ図や、ハンドアウトに書く情報の一覧とかの書き方がいかにも高平氏らしい。(ついでに言うと、芸能人が出てくるところも高平氏らしいなあ、と) 現代ものだと、ネットと携帯をどうするかというのが悩みのタネですが、携帯を積極利用することを薦めているのも面白い。


 まあ、クトゥルフのマスターをやる人は素直に買いましょう。1本当たり400円弱ですし、多少手を入れれば全部遊べるレベルだと思います。この調子でアンソロジーシナリオ集が毎年一つくらい出てくれるといいなあ。裏表紙のイラストはかなりネタバレなので、プレイヤー専門のつもりの人は注意。