k-takahashi's blog

個人雑記用

火星飛行機

火星着陸モジュールは、基本的にはルナモジュールの最新版で、復路に宇宙空間へ運びあげる重量を切りつめるため、上昇用ロケットと降下用ロケットが別個になっている。ということは、乗員が火星上の場所から場所へ移動する場合に使えないわけだが、その目的には超軽量の飛行機を搭載していく。どの承ち、飛行機を使うほうが能率的なのだ。着陸モジュールには、滞在一年分の食料とシェルターのほかに、無理をすればその超軽量飛行機をなんとか二台積みこめそうだった。(「ワイオミング生まれの宇宙飛行士」*1 p.420)

と、「ワイオミング生まれの宇宙飛行士」に登場する火星飛行機だが、JAXAでも研究しているそうで、先日のメールマガジンでちょっと紹介されていた。

火星で飛行することの難しさ
 飛行機は、機体にかかる重力と同じだけの揚力を翼で作りだすことで落ちずに飛行することができます。火星では重力が地球上の約3分の1しかないので、翼により作り出す必要がある揚力も地球上の約3分の1ですみます。これだけ聞くと、なんだ簡単じゃん!と思うかもしれませんが、じつはこの約3分の1の揚力を発生させるのが火星ではとてもとても大変なのです。

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 ちなみに、現時点での飛行計画は、

現時点(2010年9月現在)で、考えられている火星飛行機のミッションは約100kmの距離を30分程度で飛行して、地表の写真を撮影するとともに、火星地表に残っている残留磁場を観測することです。

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「ワイオミング生まれの宇宙飛行士」でアレックスが挑んだ人面岩までの距離は3000キロだから、さすがに現実は堅実。

*1:

ワイオミング生まれの宇宙飛行士 宇宙開発SF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)

ワイオミング生まれの宇宙飛行士 宇宙開発SF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)