k-takahashi's blog

個人雑記用

ありあない恋

昨年から続いている大森望のアンソロジー。今回は、ちょっと変わった恋物語
いきなり「庭のサルスベリに恋されてるぞ」(『サルスベリ』(川上弘美)というストーリーに始まる。人と人ならざるものとの関係、人と人の関係、など様々なバリエーションがあり、SFで恋愛ものといったらお約束に時間ネタも2本収録(ウラシマ効果ネタと文通ネタ)。
が、『片腕』(川端康成)が最後にインパクトをさらっていったような感じ。フェチというか、エロというか、ある種の「萌え」とも言えるのだろうけれど、この妙なネタが文書のうまさのおかげでとんでもない短編になってしまっている。 この一作のためだけでも読む価値ある。