k-takahashi's blog

個人雑記用

戦慄のロボット兵器

戦慄のロボット兵器 (DIA COLLECTION)

戦慄のロボット兵器 (DIA COLLECTION)

タイトルは結構煽ってますが、ライターは、石川潤一、後藤仁、坪田敦史の御三方。多少、誤字や乱丁があるけれど、値段(600円)を考えると悪くないかな、と。写真中心でそれほど文章量は控えめ。
内容は、ほぼ米軍の無人航空機が中心ですが、地上型も少し、海中型にはあまり触れていません。
それでも、運用コストの話(リーパーの運用費は高いから、プレデターが併用される)とか、グローバルホークとトライトンの違い(海軍型のトライトンは中低高度の運用が増えるので飛行性能向上のための改造が加えられている)とか、ファイヤスカウトの旧型(MQ-8B)は燃料が燃えやすい航空ガソリンだったので新型では改善したとか運用を睨んだ記載もある。


面白いのは歴史関連記事で、「世界初のロボット艦船『摂津』」(後藤仁)とか、「ロボット兵器の歴史」(後藤仁)とかに興味深い記載が多い。
そもそもは、標的として使われたことに始まる。上記の『摂津』も、二次大戦中の米軍の小型標的機シリーズ(1万4千機というから凄い)も、訓練用として使われた。人が乗っていたら危険だから、というところはいまの無人機と発想は同じだな。
独軍ゴリアテに到る開発史も紹介している。
あとは、戦後の米軍の失敗の紹介。技術的失敗もあれば、要求に合わないとか、運用がイマイチだったとか色々だが、それが現代に繋がっているわけでもある。


それでも、無人機の開発では、試験飛行のパイロットの生命のことを考えなくて良い分だけ、開発が早くなるという指摘(p.155)とか、整備も生命維持装置やエンジンが最重要という見方からセンサーや通信機を重視する方向に変わるという指摘(p.160)は興味深い。