k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究 2014年10月号

軍事研究 2014年 10月号 [雑誌]

軍事研究 2014年 10月号 [雑誌]

スーパーインターセプター『F-15改』(石川潤一)

F-35Aが配備されても要撃の主役はF-15。(F-35導入後も7個飛行隊はF-15) そもそも、F-35はストライクファイターという位置づけであり、インターセプターの機能はF-15に期待されている。
F-15が要撃の勤めを果たすには、近代化が不可欠。プレMSIP(いわゆる初期型)が約100機あるが、これはMIL-STD-1553Bデジタルデータバスが無いため、AAM-4やAMRAAMが運用できないという問題がある。
そして、MSIP機であっても充分でないことが米軍との演習で明らかになっている。


石川氏は改修の手順について

J-MSIPをいわゆるF-15MJ仕様に改造する予算は26中期防に26機盛り込まれているが、これを(V)3レーダーやADCP II、CFTなどを有する「改」仕様に切り替え、次いでプレMSIPの改修に手を付ける。最終的には改修済みの「MJ」仕様機も「改」に再改修するというスケジュールなら、無駄なく、また防空能力を損なうことなく近代化を図ることができるはずだ。(p.38)

としている。

密着!新鋭11式短SAM初実射を追った(芦川淳)

ミサイルを搭載したままの機動が可能となった11式短SAM。まだ沖縄の第15高射特科連隊第4高射中隊にしか配備されていない装備だが、その実射訓練のレポート。
訓練が行えるのは静内だけで、そこに移動することころからして一苦労。色々な制約があって、まさにギリギリの発射訓練だったようだ。

凶悪テロを呼び込む「イスラム国」(黒井文太郎)

ウクライナパレスチナイラク、シリア、北アフリカ、で多発する地域紛争。これは連動している面と、地域固有事情の面とがある。その整理をした記事。

ウクライナ親露派の怪しげな紳士録(小泉悠)

タイトル通りで、親露派の主要人物紹介記事。
「軍や治安機関での勤務経験をもつものが多く」「歴史学部や哲学学部など人文系の高等教育を受けた人間が多い」(pp.78-79)だそうです。
一方、プーチンが尻尾切りの伏線を張っているとの指摘もあり、プーチンの広告塔でもある「コメルサント」紙のコレスニコフ記者が、7月29日にそういったことを匂わせる記事を書いている。

「解放軍が誇示する最新装備」の虚実(井上孝司)

中共が「国産最新兵器を誇示」するのをどう読むかという話。具体的な話が続くかというところがポイントのようだ。
一方、

近年、航空分野で中国企業が欧米の航空宇宙関連メーカーを買収する、あるいは買収しようとする事例が相次いでいる。(p.102)

というのも要警戒。サイバースパイも多発している。

中国海軍取材顛末 「リムパック2014」(後編) オール・ユー・ニード・イズ・チャイナ(菊池雅之)

リムパックで中国艦を取材しようとしたときの苦労話。
「私服」(実際には、公安部か何かの人間)の中国人が取材陣を監視し、圧力をかけ、取材を妨害している様子が書かれている。

しのぎを削る世界の艦載多機能レーダー(多田智彦)

先月号の記事の続きで、SPY-1、FCS-3以外のレーダーの紹介記事。
DBR(米)はSPY-1の弱点である沿岸海域での対シークラッター性の高いレーダー。ただ、出力不足が問題になっている。AMDR(米)は次世代型で、複数ビームを同時処理できる能力をもつはずだが、こちらも出力が課題の模様。
他に、APAR(蘭)、I-MAST(蘭)、SAMPSON(英)、EMPAR(伊)、ARABEL(仏)、HERAKLES(仏)、CEAFAR(豪)、MF-STAR(イスラエル)、TSR-4D(独)、348型(中)、など。各国色々作ってます。

2014ファーンボロ航空ショー報告(青木謙知)

F-35が出展中止になってしまったが、F-35用のヘルメットやユーロファイターの新レーダー(アクティブ電子走査アレイ型)の展示があった。
トルコのターキッシュ・エアロスペースが、初めて実機を持ち込んでおり、意気込みが伺えたとも。

アグスタウェストランドの最新ヘリコプター(竹内修)

アウグスタウェストランド社の工場見学レポート。
充実した商品ラインナップの中でも、AW139が好調。エンジン性能とキャビンの大きさが好評で、短期間にシリーズ展開。大型のAW189はオフショア機(洋上プラントへの人員・物資の輸送業務)向けとして好評で既に130機以上受注しているそうだ。