k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究 2016年6月号

軍事研究 2016年 06 月号 [雑誌]

軍事研究 2016年 06 月号 [雑誌]

新世代自衛隊ビッグスリー(竹内修)

P-1,C-2,X-2の解説記事。
X-2の役割の一つを「巨額な投資に見合うだけの戦闘機を開発できる技術を獲得していることを国民に証明する必要がある。現時点で国民にそれを証明する最も有力な手段がX-2』(p.33)とし、また他国と協力開発するにしてもこの技術デモが重要だという位置づけ。
P-1については、調達数が多い(70機予定)。これは過去の国産機としては、T-4(212機)、F-1(77機)に次ぐもので、更に上乗せされる可能性があるという。派生型が開発されれば(EP-3、OP-3C、E-2Cなどの後継)という条件。
一方C-2は民需転換用の準備をしなかったので、派生機以外の増産は難しそう。

『16式機動戦闘車』制式化!!(三鷹聡)

こちらは、16式機動車の記事。26中期防によれば、陸自は戦車の定数を半減(600→300)し、本州からは戦車がなくなる。それを埋めるのが16式機動車となる予定。
軍用とは言え車輪は車輪。アメリカでの訓練ではやはりパンクは多く整備は大変だった。また、陸伝いでなければ結局飛行機か船で運ぶことになるが、それなら装輪でも装軌でもいいということになってしまう。
結論は出ていないが、使い方はきちんと考えて体制を整えないといけない。

島嶼防衛「統合任務部隊」の中核「水陸機動師団」(江口博保)

水陸機動団は師団級の組織に格上げするべきである、という論の続き。
この記事では、水陸機動団を3000人規模と想定しているのは、15個作戦基本部隊体制が理由で、そこから改編すべきとしている。具体的には、第7師団を旅団化、中部方面隊は2個師団+2個旅団から2個師団に改編、第12旅団を空中強襲師団に改編、15旅団を第8師団に併せる、というもの。機動力強化なら、という案。

中国、国産空母4隻を建造中!!(田中三郎)

中国の空母関連情報のまとめ。訓練基地の設備解説や基地の写真なども載っている。
『中国は今後、2020年までに大連造船所で二隻の「001A型」空母を、上海の江南造船所で一隻の「002A型」空母、計三隻の空母を建造することになる』(p.84)

世界戦争も恐れぬ「プーチン」と「金正恩」(黒井文太郎)

IS関連では、3月7日、チュニジア南部のリビア国境に近いゲンバルデンを、リビアから侵入した親IS系イスラム武装勢力集団が襲撃した事件があった。ニュースでは目立っていなかったが、イスラム圏の国は常にこうして狙われている。
北朝鮮では、従来ロケット(ミサイル)実験を行い、それへの批判を口実に核実験を行ってきたが、今回は逆だった。それは、核実験だけは平和目的と言い繕えないからであったが、もう言い繕うのを止めたからではないかという分析。

新連載カラー図説:冷戦兵器の大巨人『アメリカ陸軍』(3) (軍事情報研究会)

いくら発展性を前提に作ったからといって、主力兵器が半世紀以上前のものになって大丈夫なのか。一方、ロシア地上軍は次々と新兵器を開発しているのに。という指摘が陸軍省の幹部から出ている。
製造基盤そのものが失われる危険があるとかは、日本ではよく聞くけれど米国も抱えているとは。

一陸上自衛官の回想(2)(松島悠佐)

ドイツ防衛駐在官勤務時代(昭和50年代)の回想。
視察やパーティなども大変だったようだが、例によって外務省が大変立った模様(それほどきついことは書いていない)。

ベラルーシ「欧州最後の独裁国」(小泉悠)

ベラルーシの軍概要と軍事政策の解説記事。
独裁者ルカシェンコとしては民主化運動を潰したいという点でプーチンと利害が一致するが、ウクライナ侵略の手口がベラルーシに使われることを警戒してもいる。