k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 2017年2月号

Newton(ニュートン) 2017年 02 月号 [雑誌]

Newton(ニュートン) 2017年 02 月号 [雑誌]

特集は「光の量子論」。17世紀の粒子か波か論争(ニュートンホイヘンス)に始まり、ヤングの干渉実験というところまではいつものコース。この次に朝永振一郎博士の「光が波ならば3メートル先のロウソクすら見えない」(視物質を変型させるエネルギーが得られない)という言葉を紹介しているのは面白い。その次が定番の光量子仮説。そして二重スリット実験。
最後にベルの話をして、「解釈についてはまだ結論がでていない」とまとめている。

イヌ用の人工血液

ヒト用の人工血液(ヘモグロビンに架橋剤を付け、架橋剤の先にアルブミンを付ける)と同じ仕組みで作ることができるはずだが、アルブミンのところはイヌに対応したものにしないと拒絶反応が起きてしまう。
そこを遺伝子組み換え技術で作った。

海誕生の謎

海の水はどこから来たか。3つの説(地球の材料の微惑星に含まれていた、原始太陽系円盤の水素、地球誕生後に彗星として降ってきた)を紹介している。
有力な物証の一つは重水素の比率だが、これも地球環境自身が変えてしまうことがあり決定打にはならない。3つが混ざっている可能性もあり、現在までの物証とは矛盾しないのだそうだ。

写真

今年撮影されたハッブルの写真(深宇宙や木星のオーロラの写真など)や、北海道東部での雪と氷の写真(流氷や流氷になる前のシャーベット、蓮葉氷、日の出時の変型太陽など)が面白い

がん検診

統計的に有効であることが判明している検診は、実は胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんの5つだけ。それ以外の検診はメリットが明白ではない。さらに精度管理が不十分だと、デメリットの方が大きくなってしまったり、精度管理が不十分な検診だと効果が出なかったりする(つまり、時間とお金が無駄になる)。
よく誤解されているのが、検診に有効な方法と診断に有効な方法の混同。がんだと分かっている場合に詳しく調べるため(診断)に有効な方法が、がんかどうかを調べる(検診)に有効とは限らないという、言われてみれば当然の話。
任意型の検査は、「研究に協力するつもり」で受けるくらいの感じが良いそうだ。そう言えば、私が受けた項目に入っている「腫瘍マーカー」も任意だな。まあデータ提供に役立つならどんどん使って欲しいところ。がんは親のかたきだ。