k-takahashi's blog

個人雑記用

スペースインベーダーを創った男 西角友宏に聞く

スペースインベーダーを創った男 西角友宏に聞く

スペースインベーダーを創った男 西角友宏に聞く

驚くべきことに、翻訳書。フランス人ゲームライターのFLORENT GORGES氏が2016年に西角氏にインタビューを行い、それをまとめた本。
エレメカから入って、初期のビデオゲーム(ロジック回路で組んだもの)を作り、そしてマイクロプロセッサに巡り会う。
マイクロプロセッサについては、技術勉強から始まりボード、デバッガーなど開発環境も含めて一通りを全部自分でやっている。大変だっただろうが、話を読んでいると楽しんでいるフシもあり(もっとも、煮詰まって他の仕事で気分転嫁したというエピソードも)、面白くもあっただろうな。


よく知られている通りインベーダーは社会現象となった。100円玉が不足したという伝説もどうやら本当だったのではないかと記載しているし、パチンコ業界がゲーム機潰しを画策(ゲームセンターに風営法を適用しろと要求したのは1979年の2月)したこと、幾つかの犯罪の理由となったこと(子供だけではなく、成人による犯罪もあったし、暴力団や政治家の介入もあった)、1979年3月には国会で問題視され、JAMAが対策を発表したのが6月。こうしたことも書かれている。


インベーダーブームの後の西角氏の活動は、タイトーの都合に振り回される面があり、大量の筐体を不良在庫にしないために同じハードで別のゲームを作ることを求められた。西角氏は新しいハードを作りたかったのだが、それは適わず、ギャラクシアンを見て衝撃を受けたと言っている。この辺は好きなようなゲーム作りができず結構ストレスが溜まっていたようだ。


ゲーム作りが好きだったんだなあという印象を強く受けるのは、本当にそうだったのか、ゴルジェ氏の筆の技なのか。


全ページカラーで、ゲーム画面や筐体、ポップなどが大量に載っているのも嬉しい。
1974年の初訪米のとき、アタリのブッシュネル社長に送迎して貰ったとか、アタリ社でナムコの中村社長とすれ違ったとか、興味深いエピソードも紹介されている。