クニツィアが1990年に出した本の翻訳。
ダイス、トランプを使ったゲーム集で、後にこれを変型した形で商用化されたゲームも色々とあるようだ。
数学好きのクニツィアらしく、ゲーム理論、組み合わせ論、確率論、などについての簡単な紹介コラムも付いている。ルールシステムの解説の後に、「このゲームで○○が起こる可能性はどのくらいあるか」とか「理論的な最高点は何点か」といった「問題」が付いているのも面白いというか、30年前だからなあ。
こういうふうに、ある程度抽象化したシステムが大量に頭に入っていることが、クニツィアの強みであるし、コンポーネントに縛られた時代ならではというところはあるのだろう。当時は複雑化しようとすると表とかに書くしかなくて、それはプレイアビリティを確実に引き下げていた(そういうやりかたに対して、本書内のクニツィアは批判的に捉えている様子がうかがえる)
コンポーネントからフレーバーを醸し出す部分はさすがに苦しいし、ある程度同じパターンが使い回されているのも見えやすいが、その分ゲームシステムに興味がある人なら面白く読める一冊。