k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 2020年2月号

Newton(ニュートン) 2020年 02 月号 [雑誌]

Newton(ニュートン) 2020年 02 月号 [雑誌]

 

特集は「宇宙の終わり」。恒星の終わり(これはよく知られている。太陽は白色矮星化する)、銀河団の終わり(一つの超巨大楕円銀河になり、宇宙の膨張により孤立する)、銀河の終わり(新しい恒星が生まれなくなり、長寿命の星が燃え尽き、天体が飛び去りブラックホールだけになり、飛び出した天体は陽子崩壊によって消滅、ブラックホールは蒸発する)などがある。
そして、宇宙の運命はよく知られているようにダークエネルギーで決まるが、ビッグフリーズするか、ビッグクランチするかのどちらかの可能性が高い。どちらにしても次の宇宙が出てくるところは面白い。ダークエネルギーが増えていくとファントムエネルギーにより空間膨張速度が無限大となることでビッグリップが起こる。
あるいは、数年前にちょっと話題になった「真空崩壊」もある。
特集の最後には、それを知るための観測の話が出てきて、陽子崩壊(ハイパーカミオカンデがこれ)とか、ダークエネルギー密度測定(これは巨大天文台によるもの)など。

 

巨大ウイルスの記事も面白い。なんかネーミングが凄くて「パンドラウイルス」、「メドゥーサウイルス」、「暗黒期」、「スターゲート構造」、「ウイルス工場」などなど。
真面目な話だと、遺伝子の水平移動の話から、「細胞核はウイルスによってもたらされた可能性」とか、「ヒストン構造はウイルスから受け取った可能性」とかもある。
最後には、ウイルスが先か、細胞が先かの議論から「生物でもウイルスでもない、第三の巨大ウイルス」なんて話になってくる。(巨大ウイルスと普通のウイルスを分ける考え)

 

「近視」の記事も面白かった。「バイオレットライト説」というのがあり、紫色の光が網膜で近視の抑制に関与しているというもの。屋外で遊ぶ時間が長い子供、眼内レンズでバイオレットライトを通すレンズを入れた人、がそれぞれ眼軸長の伸びが小さい(近視になりにくい)という結果があるのだそうだ。

 

 短信で面白かったのが、「キノコは知性をもつか」(p.5)。東北大学の深澤遊博士の研究で、木片の大小や餌の方向を記憶し、それをもとに行動を決めている可能性があるというもの。