テーマは「空」。いつもよりホラー色が薄めで幻想色が強め。
ポー(『軽気球無想譚』)とかヘミングウェイ(『パリからストラスブールへの飛行機の旅はナマのキュビスム絵画の展覧会だ』(なんだ、このラノベみたいなタイトルは))とかのセレクションが面白い。『宙を歩いた男』(マージョリー・ローレンス)もそうだけれど、人が空で動き始めた頃の感覚がなんとなく伝わってくる作品群。
個人的なお気に入りは『失物之城』(フーゴ・ハル)。マグリットの絵からイメージを引っ張りつつ、変な仕掛けを入れ、それがちゃんとストーリーに合わせてあるところが面白い。特に最後のページ。