伴名練のアンソロジー。
なるべく広い読者に届けられるように心がけたつもりだが、全作品個人短篇集未収録いうラインナップなので、SFマニアの方々でも買って損はさせません。(序、より)
という、考えてみればかなり難しい縛りを入れた選集なのだが、看板に偽りなし。すばらしい。
・中井紀夫「死んだ恋人からの手紙」
・藤田雅矢「奇跡の石」
・和田毅「生まれくる者、死にゆく者」
・大樹連司「劇画・セカイ系」
・高野史緒「G線上のアリア」
・扇智史「アトラクタの奏でる音楽」
・小田雅久仁「人生、信号待ち」
・円城塔「ムーンシャイン」
・新城カズマ「月を買った御婦人」
既読は1/3ぐらいで、にもかかわらず満足度も高い。これはお薦め。
著者紹介も、「この作者にはこんな短編があって」という感じで、次の読書へ誘うように書かれている。巻末のガイドも同様。徹底してるなあ。
未読モノで面白かったのが『生まれくる者、死にゆく者』(和田毅)だったのだが、でもこれ読んでるはずなんだよな。記憶にはなかったんだけど。
(なお、和田毅は草上仁のPN)