k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究2019年11月号

 

軍事研究 2019年 11 月号 [雑誌]

軍事研究 2019年 11 月号 [雑誌]

  • 発売日: 2019/10/10
  • メディア: 雑誌
 

 イージス・アショア問題から派生しての「敵基地攻撃論」。それに関連した記事が『 敵基地攻撃能力と専守防衛』( 濱田浩一)、『攻撃型原子力潜水艦保有のすすめ 』(矢野一樹)。
濱田氏の記事では、政府、社会党共産党公明党といった辺りの見解をまとめたもの。今後は具体的な話を国会でやるべきと結ぶ。
矢野氏は、攻撃型原潜の概要と必要性の解説。ただ、この議論は対北朝鮮牽制もあるけれど、対中抑止力が中心。

 

『猛毒神経剤『ノビチョク』の使い方』(濱田昌彦)は、ノビチョク解説記事。紅茶に毒を入れるのはロシアの定番らしいが、ノビチョクは水に解かしても毒性を維持する(なので除染がやっかい)というところに繋がる。
一昨年の英国の事件のときとの最大の違いは、2019年の化学兵器禁止条約締約国会議でノビチョクをリストに入れてあること。なので、今回はノビチョクだとしたら明確な条約違反となる。

 

イラン革命防衛隊が軍事衛星打ち上げ!』(鳥嶋真也)。平和利用と言いつつ開発を進めて、政治的に適当なときに軍事だといって既成事実化を図る。日本から言わせれば、北朝鮮と同じで、そのうち核ミサイルに辿り着くよ、としか。

 

ミッドウェー海戦&「エセックスヘルキャット」』には、1930年に米軍が行った「第10回フリート・プロブレム演習」が紹介されている。この演習の経験から米軍は多数の索敵機を投入する戦術を取り入れることにし、空母艦載飛行群では第四飛行隊として索敵飛行隊を編入した、とある。SBDは、攻撃機と索敵機の両方に使われていたことを数字で示している。

 

『マッハ20「アロー極極超音速ミサイル」(石川潤一)は、米軍の極超音速ミサイルAGM-183A-ARRWの解説記事。昨年の初の飛行試験、今年はB-52での試験。22年に最終試験が予定されており、飛行試験から3年で初期作戦能力獲得という早急なスケジュールが、米軍が中露に追いつこうとしている態度の現れ。
スクラムジェットを用いたHCSWをキャンセルして、弾道落下を使うARRWを優先したことも、急いでいるからだろう。