k-takahashi's blog

個人雑記用

メディア・オーディエンスの社会心理学

 

 メディア・オーディエンスというのは「受け手」側のことで、その受け手についての研究をまとめた一冊。
特に、昨今のように「選択」「発信」の機能が受け手側に備わってくると従来の送り手側中心の分析では捉えきれない部分が増えてくるわけで、その辺の研究成果を教科書としてまとめてくれている。

もちろん、3年前の発行で情報的には5年前ぐらいのものが中心なので最新かというとそうもいかないのだが、きちんとまとまっているというのにはちゃんと価値がある。

 

「子ども」「青少年」といったところでは、暴力シーンや飲酒・喫煙シーン、性的シーンの悪影響やゲームの影響などの基本的な分析が説明されている(研究自体は少ないが、若干影響あるのではという辺り。ただ、自殺についてはかなり重く捉えている様子が分かる。ただ、定量的な比較としては書かれておらず、インパクト重視なのかなとも)。
「ファン」心理の分析の項目には、ファンによるメディア生成の例として、同人誌と怪文書とが書かれていて、まあ紙一重なところはある。

 

基本資料として使うには非常に便利な一冊。