k-takahashi's blog

個人雑記用

コボルドのボードゲームデザイン

 

コボルドのボードゲームデザイン

コボルドのボードゲームデザイン

 

 ゲームマスタリーマガジンに2,3回翻訳が載ったことのあるゲームデザインノウハウ本。一流どころのデザイン関係者に10ページぐらいの記事を書いてもらい、それをまとめている。色々なノウハウがきちんと言語化されていて、確かにゲームデザインをやる人は必読。

どこを読んでも損のない一冊だが、個人的なメモを幾つか。

ゲームプレイの第一幕 序盤 は、プレイヤー同士が対立する舞台を用意する段階
ゲームプレイの第二幕 中盤 は、勝利を巡ってしのぎを削り合う中核の部分
ゲームプレイの第三幕 終盤 は、勝利へのだめ押しだ。
(pp.33-34)

人々は物語をもとにしたゲームに登場するストーリーについて語り、撒く構成について語ってきた。だが、その時彼らはゲーム内の物語の構成について語っていたのであり、「ゲームプレイ」について語っていたのではないんだ。(p.41)

ルールはゲームを説明してはいけない。(p.89)

 ゲームデザインを学びたいなら、自分の大嫌いなゲームを、それを大好きな人達と遊んでみよう。そのゲームがどんなにくだらないかを力説するんじゃなく、彼らを観察するんだ。彼らは本当に楽しんでいる。(p.140)

ギャンブルの経験は本当は誰が勝利するかではない。何が起こったかだ。プレイヤーはたとえほとんどの時間、金を失うことになろうと、大きな勝利を収めるチャンスが自分にあるという物語に参加するのが好きなのだ。そして、実際に金をかけることほど、なにかに熱中している気分に浸れるものはない。(p.148)

指針No.1:ゲームが終了するまでプレイヤーを脱落させない
指針No.2:キングメイカーは最悪だ
 指針No.2.a:”勝者を選択する者”(キングチューザー)を作ってはならない
 指針No.2.b:キングメイカーになることがたのしくあってはならない
 指針No.2.c:”勝者を阻止する者”(キングブレイカー)を作らない
指針No.3:先行する者に報酬を与えない
指針No.4:自然にゲームが減速に向かうこと
(pp.176-182)

 

これ、可能なら雑誌連載の形式でずっとやってほしかったかな(で、そのあとで満を持して単行本化)。毎号、ああだ、こうだと楽しめただろう。