k-takahashi's blog

個人雑記用

新型コロナからいのちを守れ

 

 昨年末から夏頃までの西浦先生の活動を川端裕人先生がまとめたもの。

2019年の大晦日武漢のニュースの分析をするシーンから始まる。ダイヤモンド・プリンセス、北海道での流行、学校閉鎖、全国への広がり、病院クラスター、緊急事態宣言、といったタイミングで、どのような仮説と裏付け・分析をしていたかが書かれている。

DP号にしても、何がどの程度分かっていて、危ないところがあって、というのについて、西浦先生達が把握していたことと、外野の無責任な扇動との間に大きな違いがあったことが分かる。
もちろん、分析については、当たっていた仮説、当たっていなかった仮説、数字の把握のズレ、その度合いなど色々なものがあるが、そういうのは研究で改善されていくことになる。(先生達が見落としていた大きなファクターはあるかもしれない、ないかもしれない) 
クラスター追跡の意味や有効性はかなり何度も説明されていて、この辺を伝えるのに苦労したんだな、というkとおが伺える。

 

政治側、経済側、そしてメディア。そうしたものに対しては相当怒っておられるのが伺える(筆致はかなり抑制的だが)が、そこも含めて引き受ける覚悟というか、自分達がやなければいけない以上どうすれば有効かをを考えよう、という姿勢が分かる。

本来分析のプロである西浦先生が、広報的なところにまででなくてはならなかったことは、本当にまずかったとも感じた。ギリギリの仕事をしているところで、このバランスが崩れていたらと思うと、本当に危なかった。

 

 

 訴訟がおきるリスクは実際にあって、警告文書や一部では訴状も届きました。僕には脅迫状が届き、生まれて初めて殺害予告を受けました。一番緊迫した頃には、厚労省と新橋のビジネスホテルの間を歩くだけなのに警察の方に護衛して貰ったことすらありました。僕なんかは下っ端ですからかわいいものです。尾身先生は1人で自宅から外出することを、緊急事態宣言中から止められています。(No.2705)

 東日本震災のあと、情報発信をしていた早野龍五先生に身の危険があったことは知られているが、なんで科学者に身の危険が迫ってしまうのか。残念ながら10年たってもこの辺は進歩しなかったということ。