k-takahashi's blog

個人雑記用

ロンメル将軍 副官が見た「砂漠の狐」

「 50センチの距離からロンメルを見ていた男」というのは監修の大木先生の解説に書かれている言葉。ロンメルという軍人自体の評価は、大木先生の「ロンメル」を読めばいい。(というか、北アフリカ戦役の流れは知っているという前提で書かれているので、全くの初心者が読むと分からないと思う)

 ロンメル評もさることながら、北アフリカの戦いの描写が興味深い。戦場ロマンのようなものがまだ残っていた(著者が意図してそういう表現を増やしているというのはあるにせよ)場所でもあったのだろう。

前線でどういう風に過ごすのか、偵察に出かけるとどんな感じなのか、戦場の霧の実感、など。なんか、「コンバット」に出てきそうなエピソードが色々。

 

南アフリカとドイツの二重国籍者だったのでどちらの側でも戦う可能性があったことや、婚約状態で従軍して結婚許可を待っていた(チェックが厳しかったことが書かれている。チェックと言えば休暇で帰国したときに婚約者に品行を問い詰められるシーンがあって愉快。最後には結婚式の許可を得たことで降伏直前に帰国できた)ことも面白い。

 

ミリタリ的には、トブルク陥落時について「トブルクは弱体化していた」と評していること、「ロンメルがエジプト深く進入することはない」という分析、事前に地雷原の位置を調査していたがスコップを持っていたことで磁針がずれて場所を誤認してしまったエピソード、そしてシャーマンを「重戦車」扱いしていること、など面白い。

 

ざっくりと北アフリカ戦が頭に入っている人にお薦め。