k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究 2021年8月号

 

軍事研究 2021年 08 月号 [雑誌]

軍事研究 2021年 08 月号 [雑誌]

  • ジャパン・ミリタリー・レビュー
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『 日本にはなぜ情報機関がないのか!』(黒井文太郎)は、日本の情報関係機関の解説記事。情報活動をしている機関はあるが、きちんとした専門機関はない。要は、戦後そうした機関が忌避された&左翼の妨害&票にならないといういつもの話なのだが、実態としては警察庁主導の活動と、時々意欲のある政治家が進めるといった形だった。安倍さんは情報を重視していたが、新組織作りでは無く既存制度の強化に重点を置いていた。(特定秘密保護法や国際テロ対策)

 

『米海兵隊「遠征前方基地作戦」構想』(吉富望)は、米軍の「遠征前方基地作戦構想」(EABO)の解説と自衛隊との協力についての解説。海兵隊による構想だが、海兵隊をある程度犠牲にすることで海軍の活動を守るというもの。
構想の課題を、戦力不足、海上輸送力不足、中国軍の奇襲に対する脆弱性、当初住民の保護、と4つに整理し、日米協力について論を進めている。

 

『新型戦闘機F-15EX「イーグルⅡ」』(竹内修)
2021年4月7日に配備式典が開催され、公式ニックネーム「イーグルII」が発表された。F-35より運用コストが低く、機体寿命が長いので、「量」を確保するためにF-35とF-15EXの混成になる。

第五世代戦闘機ではないものの、速度・運動・航続・兵器搭載量ではF-35以上であり、演習での評価も上々とか。

 

『ロシア、「北極軍事化」の狙い!』(小泉悠)
「北極圏上空に爆撃機を飛ばすなら事前通告を」という呼びかけを無視するなど、北極軍事化に余念の無いロシアだが、現状では早期警戒の強化という段階。ただ、温暖化が進行し(北極の氷が減り軍事活動が広がる)、軍事的緊張が続くならさらに強化が進む。

 

『宇宙からコントロールミサイル防衛システム」』(田中三郎)
中国による弾道ミサイル迎撃態勢の解説記事。記事最後にもあるが、中国の宇宙ステーションに兵器が搭載されれば、中国の優位が高まることになる。そして軍民融合を進める中国がそれをやる可能性は高い。