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軍事研究 2021年10月号

 

軍事研究 2021年 10 月号 [雑誌]

軍事研究 2021年 10 月号 [雑誌]

  • ジャパン・ミリタリー・レビュー
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米空軍航空機の記事が幾つか掲載されている。

「21世紀の襲撃者B-21レイダー」(青木謙知)は、米軍の次世代爆撃機の解説記事。「大型機で抵抗が小さく内部容積を大きくしようとうるとバランスが良いのは全翼機」(p.31)ということで、B2状の形態になるのは当然となる。実はエンジン数も未公表で、記事中ではF135の減格型が4機となると推定している。あとはステルス性のための整備コストなども考慮している。

 

『「将来の空中戦」有人戦闘機の戦友は無人機』(宮脇俊幸)は、AI無人機研究開発動向(日米)の記事。2010年代に「対地攻撃が可能なことを実証」(ハブ・レイダー計画)し、次いで空対空任務の実証を目指す、バンガード計画(先駆的実証計画)下のスカイボーグ計画になる。ヴァルキリー(XQ-58A)やボーイングATS、ジェネラルアトミクス社のアベンジャー改修型の3機体とレイドス社による自律コアシステム(AI)開発が進められている。あとは先日模擬戦の成果が報道されたDARPAのACE計画。

 

アメリカ海軍「艦上戦闘機と空母航空団」の歴史(16)』はスーパー・ホーネットの解説。空母航空団の作戦機が単一機種で占められたのは初めてだが、最初からそういう計画ではなく、A-12のキャンセルとF-14後継機開発の両にらみでホーネットの改造計画をスタートしたもの。搭載量・航続距離は大型化で対応したが最高速度はそうはいかなかったのはその辺の理由。

 

ロシアの大型潜水艦ベルゴロド(水上排水量1万7千トン)がメガトン級核魚雷(カニヨン)を搭載可能で、これが津波兵器として使われる可能性がある(p.71)とか、

極超音速兵器の記事(米軍の22年度の予算では、AGM-183Aは手間取っている模様。中国海軍のDF-100(射程1600km))。

 

「バイデン政権の米軍高級将官人事」(永井忠弘)では、オースティン国防長官、アクィリーノインド太平洋軍司令官、の紹介記事。公聴会の様子も書かれているが、中国がいかに脅威になっているかが分かる。

 

土井義尚元陸将のエッセイは、JMAS活動初期を扱っている。設立直後にカンボジア現地代表でのトラブル、現地活動原則、広報、「事故は必ず起こる」、現地の事情に合わせて、など。ラオス東チモール、アフガンなどで支援部隊撤収後のフォローなどの検討もしており、PMCをそうした視点(軍事部隊本体の負担軽減)から検討していたというのが面白い。