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軍事研究 2022年4月号

 

軍事研究 2022年 04 月号 [雑誌]

軍事研究 2022年 04 月号 [雑誌]

  • ジャパン・ミリタリー・レビュー
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2月21日のプーチン大統領による、ウクライナ東部独立承認まで書かれているので、本格侵攻直前が締切りだったことが分かる。次号が緊急特集の予定。

 

『露参謀本部が考える8段階の「新型戦争」理論』(小泉悠)は、ウクライナ侵攻の補助線であるロシアの「新型戦争理論」の紹介記事。戦時と平時という分け方ではなく、8段階に分類するもので、第一段階が「介入の準備」で敵国内に批判的世論を作るところ、第四段階が反体制派用いた危害行為や反乱、第五段階が平和維持軍名目での部隊派遣やPMC、とった具合。これが全部段階を追った戦争だという扱いになる。
この分類だと本格的侵攻(第七段階)は、オプションのオプションという位置づけで、なぜ今回こうなったのかは、戦後に研究が行われるのだろう。

 

ウクライナ軍については、『ロシア軍を迎え撃つウクライナ軍の実態』(藤村純佳)があり、陸軍では歩兵戦闘車の不足、対戦戦車ミサイルは充実、防空戦力はロシアに手の内を知られている、海軍は間に合わない、といった分析。

 

一方、ウクライナの件で米国の圧力が減じたのをチャンスとばかり核ミサイルを着々と整備している北朝鮮。「北朝鮮『核爆弾45発』分の核物質を備蓄」(黒井文太郎)で、1月の7回のミサイル実験について解説している。ICBM火星17は無かったようだが、極超音速型の実験があり、イージス艦で対応できず日本全土を射程の入れたミサイルとなる。(PAC-3での対応は可能。但し、点防御になる)

 

必殺の対空手段『高出力レーザー兵器』 (多田智彦)は、艦載レーザー兵器の現状。試験搭載まで進んでいるのは、無人機や小型艇への妨害(センサー破壊や着火など)。SSL-TM、ODIN、HELIOSRHEL、HELCAPと5つ進んでいる。