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個人雑記用

軍事研究 2022年5月号

 

軍事研究 2022年 05 月号 [雑誌]

軍事研究 2022年 05 月号 [雑誌]

  • ジャパン・ミリタリー・レビュー
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ウクライナ関連で売り切れしている店舗もあるそうで、専門誌が専門知識必要なときに売れることはいいことだ。

 

表紙は見ての通りのウクライナ軍。記事は、『プーチンは“ヒトラーの尻尾”』(黒井文太郎)、『地上でも空中でも戦果を上げるウクライナ軍』(竹内修)、『敵を甘く見て敵防空網制圧に四苦八苦 大失敗したロシアの航空撃滅戦 』(石川潤一)の3つ。
黒井氏の記事はプーチンの経歴を解説してプーチンが一貫してロシアの復活と殺伐を続けてきたことを示している。「変わったのは、世界から警察がいなくなったという外部要因」(p.40)というのが分析結果。
竹内氏の記事は、宇露両軍の兵器の活躍具合について。ロシア戦車が振るわない一方で、MLRSのタルネードーSとロケット弾9M544、9M549は有効に機能している模様。
石川氏の記事は、航空戦の解説で、ロシアのSEAD/DEADの話が中心。ウクライナの固定式ミサイルサイトは力尽くで排除することに成功しているが、移動型に対して対応できていない。

 

日本関係では、『対中抑止の切り札!日本原子力潜水艦』(矢野一樹)と『過大評価の豪州AUKUS原潜建造協定』(松村昌廣)の比較が面白い。日本が原潜を持つのは有効かということを積極・慎重の両面から論じている。何にどう対処するかという捉え方が異なっているので、有効性や主たる課題が異なってくる。

 

『暗雲「H3ロケット」日本宇宙産業の弱点』(鳥嶋真也)は、JAXAH3ロケットの開発遅延の解説。軍事の話ではないのだけれど、国産ロケットを維持できるかどうかは安全保障に関わってくるということなのだろう。産業基盤自体の弱さというところは、軍事関係の開発と通じる部分。