軍事研究 2022年10月号

軍事研究 2022年 10 月号 [雑誌]

巻頭記事の「陸自南西諸島防衛態勢の再構築」（ 吉富望）は、諸島防衛をどうするかのまとめ。最近の中国軍の軍拡ぶりを考えるに、「南西諸島周辺では、航空優勢のみならず海上優勢も中国軍に握られることになる」(p.29)という状況での検討。現状は、船艇不足、即応が難しい。今後は本土からの機動展開・奪回活動に依存しないよう南西諸島防衛体制を構築する必要がある。といった辺りからの編成案。水陸機動連隊・中隊戦闘群など。

「令和四年版『防衛白書』を読む」（福好昌治）は、7月22日に了承された防衛白書の紹介。第一部「わが国を取り巻く安全保障環境」が例年より詳しくなっており、筆頭がウクライナ侵略。中露軍事協力についても大きなスペースで紹介。台湾侵攻プロセスについても初めて掲載している。

ワールド・イン・フォーカス（菊池雅之）は、安倍元首相暗殺事件に関連して、警察組織の紹介。機動隊内の機能別部隊は兼任が多いのだそうで、いざというときのマンパワーは大丈夫かとちょっと心配になった。

「NATO核武装F-35配備の衝撃」（能勢伸之）は、F-35Aの採用拡大関連。ロシアのウクライナ侵略に伴って採用拡大が進むF-35だが、これに核運用能力があることとプーチンの核恫喝とでNATOの核政策がどうなるかということを解説している。