k-takahashi's blog

個人雑記用

鉄道の食事の歴史物語

 

鉄道の食事というか、いわゆる食堂車の歴史紹介。

19世紀に登場した鉄道。陸上高速大量輸送を開いたのだが、当然初期は走らせることだけで精一杯。乗り心地や快適性は当然のことながら、しばしば安全性すら後回しにされていた。初期はそれでも短時間だったが、次第に距離が伸びるにつれて、食事やトイレなどが問題になっていく.当初は機関車自体の定期的な補給に合わせて人間も食事などをすればよいと考えていたが、まあいつまでもそう言ってはいられない。

まずは駅に立派なホテルやレストランを併設するところから始まった。一方アメリカでは、車内販売が始まった。エジソンウォルト・ディズニーも新聞や軽食類を駅や車内で売る仕事をしていた。

 

やがて、アメリカで食堂車が登場する。有名なプルマンのもの。豪華な寝台、豪華な食事を売りにするようになった。長距離鉄道が多いというアメリカの事情があったのだろう。これが欧州にもちこまれて、走るホテルのコンセプトがやがてオリエント・エクスプレスなどにも繋がる。

これらは富裕層向けのもので庶民が日常的に使うものではなかったわけだが、鉄道のイメージ向上にはかなり役立ったようだ。(実際、コスト的には恒常的に赤字だったそうだ。それでも競うように導入されている。) 大金持ちが自分用の車両を用意していたのは今で言うプライベートジェットの感覚だろう。
美味しいワインが供されそれがテーブルの上でこぼれないというのは、料理の質と運転の質の両方のアピールになる。

 

コスト問題は常に食堂車の課題でありつづけ、調理済みの料理を駅で積み込んで車内の手間がかからないように提供するとか、ビュッフェ形式とか、そもそも品数を減らすとか色々と工夫が行われている。

それでも、戦後は飛行機の普及にともない徐々に豪華列車・豪華食堂車は姿を消していく。

 

本書はメニューがわりと細かく書かれていて、読んでもよく分からない部分も多いけれど、そんな風に作ってそんな料理を出していたのかなどと想像するのは面白い。

 

 

オリエント急行をネタにしたゲームを遊んでいるのだが、メニューが細かく書かれているのは、本書で書かれているようなロマンの反映なんだろう。