k-takahashi's blog

個人雑記用

油も水も使わずに焼ける冷凍餃子

新調理法により、油なし、水なしで、誰でも簡単に、パリッとジューシーに焼けるギョーザです。

http://www.ffa.ajinomoto.com/study/ajigyoza/products/

という餃子が出ていたのは知っていたのだが、日経トレンディ*1にこの記事が出ていた。


97年に油を使わずに調理できる冷凍餃子を発売、以後順調に人気と売り上げを高めていた。そして、10年頃には、消費者から目立った不満の声が上がらないところまで来ていたという。ところがその状態に危機感を憶えた当時の開発リーダーが、実際に消費者の調理の様子を調べてみたら

パッケージに表示している調理法の通りに作る人が誰もいなかったのだ。特に作り手によって大きな違いが生じたのが、餃子調理に必要な水の量だった。全員が目分量。大量に水を入れて皮を柔らかくしすぎる人もいれば、逆に水が少なくて焦げ付かせてしまう人もいた。(p.108)

これがきっかけで「水なし」という目標を立てたそうだ。消費者から不満の声があったのではなく、「美味しい餃子を家庭に届けるには」という視点から立てた目標。


その後の工夫は色々あり(餃子のそこの部分に油だけでなく、水も含ませてあるそうだ)、それはそれで良いのだけれど、UXとして面白かったのが以下の部分。

パッケージに記載する焼き時間も、あえて「約5分」と少し曖昧にしている。「人間の心理の問題で、カップ麺みたいに『調理5分』と言い切ってしまうと、人はその間フライパンの蓋を取らないんですね。そのため条件によっては、焦げたり、生焼けになったりもする。しかし『約』と付けることで、人は慎重になって焼き具合を確かめるし、そこに手作りの喜びも見いだせるのだと思います。(p.110)


発売後に分かったこの商品の強みが「1個、2個でも美味しく焼ける」というところ。水の量がきっちり調整できているからできるワザだそうだ。