k-takahashi's blog

個人雑記用

弁護士の戦略としては分かるけれどねえ

例のO博士だが、

理研調査委の調査報告書について、「不十分である」「結論は誤りである」などと批判したうえで、再調査の必要性を強く訴えている。

小保方さんが理研に要望「不服審査の委員の半数以上は法律家にすべき」 - 弁護士ドットコム

だそうです。当事者である理研の人は外して欲しい、というのは分かるけれど、

(2)少なくとも半数は、法的思考について熟練した者(元裁判官、元検察官、弁護士)が適任である

小保方さんが理研に要望「不服審査の委員の半数以上は法律家にすべき」 - 弁護士ドットコム

というのはねえ。なにしろ、法的思考に熟練した者って、

理研の研究不正に関する内部規定では、「研究不正」についての定義が明確に示されていて、それに事実を照らし合わせると、どう見ても、その定義に該当していません

小保方晴子氏の代理人として: 弁護士の放課後 ほな行こか~(^O^)ノ

とか

これらミスは、いずれも研究成果そのものに影響を与えるようなもの ではありませんでした。

小保方晴子氏の代理人として: 弁護士の放課後 ほな行こか~(^O^)ノ

とか言っているわけです。そこに「法的思考に熟練した者」がつけ込む隙があるということであって、彼らがどういう狙いだかは明らかだし、弁護士としてはそういう主張をすることにはなるのだろうけれどさ。


そう言えば、高橋乗宣というエコノミスト様によると、

実験にのめり込んでいる理系の研究者の多くは、論文を書く機会が極めて少ない。そこが文系の研究者と違うところだ。文系であれば、論文を書き慣れているしトレーニングも積んでいる。どのように表現するのが適切かも理解しているから、この手の失敗は起こさない。

http://gendai.net/articles/view/newsx/149209/2

だそうです。


あとは、

蔵田伸雄・北海道大教授(科学技術倫理)
多くの研究者は、実験で自分の立てた仮説に都合の悪い結果が出てしまった場合、そのデータを捨て、仮説を正当に証明できるデータが得られるのを待つ。

http://sankei.jp.msn.com/science/news/140410/scn14041009100005-n1.htm

とかも。この先生の周囲にはそういう「研究者」が多いのだろう。
理系だろうと文系だろうと、まともな研究者は「当初予想に反した結果が出た」という論文を書く。再現が難しい実験なら「再現が難しい」という論文を書く。


理系文系関係なく、困った人はいるということで。

追記 2014/04/12

クレームが入ったのかどうか知らないが、蔵田教授の記載が変わっていた。

多くの研究者は、苦労して実験で得たデータをそのまま使って、自分が立てた仮説の正当性を示そうとする。

http://sankei.jp.msn.com/science/news/140410/scn14041009100005-n1.htm

修正した旨の記載は無いので、元エントリーの修正は保留。
蔵田先生が間違ったのか、記者が間違ったのかは知らないが、改竄を批判する文で、こっそりと文意が逆になるような修正(改竄だよね?)をやらかしてどうするんだ>サンケイ