k-takahashi's blog

個人雑記用

5デイズ

 原題は、"5ive days to midnight"。2004年製作のテレビミニシリーズ。
物理学者J・T・ニューメイヤーは、娘の誕生日に奇妙なアタッシュケースを手に入れる。開けてみると、中には自分が5日後に殺されたという未解決事件の情報が収められていた。たちの悪いいたずらかと思ったが、次々と書類の内容が実現していく。彼は事件を回避しようとするが、彼の周囲の状況は悪化の一途をたどる。
 という設定のSFテレビドラマ。1話ごとにストーリー上の1日が経過していくという手法で作られている。あと手法と言えば、ときどきコマ落とし的な映像演出が入るのだが、どういう意味があるのかちょっと分からなかった。


 最後のオチの落としどころは悪くないのだけれど、それ以外がちょととイマイチ感があった。異常な状況に巻き込まれているのだから仕方がないとは言えるけれど、登場人物の行動に衝動的な部分が目立ったように思う。サスペンスを煽るという意味は分かるのだが、タイムパラドックスものというのはロジックが命だから、ロジカルな描写が中心になるはず。最終的に衝動や感情がからむのは構わないのだが、そこまでの部分はもうちょっときちんと描いて欲しかった。
5話のストーリーにしては登場人物が多すぎたのではないだろうか。容疑者だけで5人、それに主人公と娘と刑事で主な登場人物は8人になる。同僚の物理学者と学生の2人はキャラとしては面白い(特に学生のカール)と思ったが、ストーリー上はなんだか狂言回しをしていただけに見えた。(伏線とかにうまくからめていない。緑のチェロキーとブルーのパーカーにカールは固執するのだが、理由が説明されていないので、意味不明な行動に見えてしまう。)
 あとは、なんと言っても、主人公が物理学者というところが生かせていないのがSFとしては残念。


 ということで、サスペンスとしては普通。SFとしてはやや惜しい出来。全体のお薦め度は「並」。わざわざ探して見るほどの出来ではないと思います。