丸の内でのカプセル公開に合わせて企画されたトークイベント。14時からの講演(「君が私たちに残してくれたもの〜新たな旅立ちに向けて〜」)に当選したので、コミケット会場から丸の内へ。 りんかい線〜京葉線とつなげば楽だな、と思っていたら、京葉線の東京駅から会場の丸善丸の内本店までが遠く離れていて移動が大変だった。
イベントは、3部構成、ビデオが回っていたので、そのうちYoutubeか何かで公開されるでしょう。以下は、自分用の備忘メモ。
川口マネージャー講演
20分ほどの短時間講演でしたが、普段よりちょっと違った感じにしていたようです。
- スミソニアンには本物がいっぱいあるが、本物の意義は大きい。はやぶさのカプセルも本物である。
- はやぶさプロジェクトが認められたのには幾つか理由があるが、研究ベースだったこととコストが比較的小さかったことが幸いした。バブル崩壊後だったが、まだ研究投資はしてもよいという空気だった。
- さきがけ、のぞみ、の経験から、「惜しい」では駄目で、帰ってこなくてはいけないだと考えた。だから、単なる安全策ではなく、「達成」の可能性が最大になるような決定をしてきたという話。
- イオンエンジン再始動のときに、名前の類推から中和(ちゅうか)神社にお参りした。「政教分離」の建前の都合上、色々面倒だった(JAXAの川口の名前でこの件について質問に答えては駄目、だとか)が、神主さんがはやぶさを知っていたのが嬉しかった。
- 神頼みには、「自分はやるべきことを全部やったか?」と振り返る意味がある。
- 今回のプロジェクトは幸運だった。この運を実力に替えるようにしていかなくてはならない。
- 3首ほど歌(和歌)が披露されていました。
- 一番を目指さなくては駄目です
吉川准教授
はやぶさ2のプリプロジェクトマネージャー(でいいんだっけ?)。
はやぶさの成果とはやぶさ後継機の実験内容の説明。内容はオーソドックスなものでした。
はやぶさ後継機では、衛星本体は再突入させずにラグランジュポイントまで移動させる意向だそうです。
ディスカッション
- プロジェクトマネジメントの視点から見たはやぶさ。 そういう内容での講演依頼も多いそうですが、ゴールが明確だったのがポイントで、そのゴールとは「カプセルを地球に返す」
- 山根さんの本が出てから「なぜあんなに燃料を?」という質問が増えたが、あれはM-Vロケット5号機自体に新規開発項目が多く、性能上にリスクがあったから。どこかで性能発揮が不充分であったときに、それをカバーできるように燃料をたくさん積んだ。グラム単位で軽量化を頑張ってくれたNECの技術者は燃料搭載量を聞いてびっくりしていた模様。
- あかつきはあがってから冒険(トラブル)が無くて、広報が困っている、というジョークも。
- 最近Jaxaの若者にはPMを希望するものが多いが、PMの仕事は「妥協して切り捨てていく」こと。プロジェクトは面白いが、プロジェクトマネージャーは決して面白い仕事ではない
- 憧れる夢は、今は見えてすらいないものがいい