ファミコンの驚くべき発想力 ?限界を突破する技術に学べ? (PCポケットカルチャー)
- 作者: 松浦健一郎,司ゆき
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2010/10/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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スプライトとかBGとかパレットとか、知っている人にとっては懐かしい、知らない人にとっては面白い話が分かりやすく説明されている。
ただ、技術そのものの解説はいいとして、ファミコンは、ファミコンは、というのにちょっと違和感を感じる。当時普通に使われていた技術、ファミコンを作るときに決めたこと、ソフトを作る人たちが苦労して編み出した技術、そういのが色々とあるはずなのである。多くの人たちが関わった世界での細かい技術の一つ一つは多くの人たちの努力の結晶。その辺がすっ飛んでいる印象を受けた。
また、変な思い込みもあるようで、たとえば、序章に「RPGのゲームはなぜ4人」というのがある。ファミコンのRPGでは1キャラを2×2のスプライトで表現することが多いのだが、ハードの制約として水平方向に8スプライトまでしか表示できない。だからパーティは4人なのだという説明になっている。ファミコンに限って言えばそれはそれで良いのだが、
RPGのパーティで4人が多いのは、ファミコン時代のドラクエやFFで培われた文化を継承しているからでしょう。伝統が生きていると言える一方で、不要な制約に縛られているともいえます。パーティは4人という習慣を打ち破って、画期的なゲームがもっと登場することが望まれます。(p16)
てな話になってしまっている。ドラクエは4人パーティが多かったとは思うが、さすがに牽強付会だと思う。
当時ゲームを作っていた主力の人たちは、今は50代といったところだろうか。本書に散見されるような誤解を防ぐ意味でも、本書に書かれていない事実を埋もれされないという意味でも、ブログでも何でもいいから、記録を残しておいて欲しい。