大和ミュージアムの戸高一成館長、大和ミュージアムの斎藤義朗元学芸員(現船の科学館学芸員)によるトークセッション。
戸高館長が凄い古本マニアだとか、結構SFも読んでおられるとかの裏話も踏まえつつ、色々と蘊蓄話。
- 大和は実は、国民が知らない間に建造され、知らない間に沈んでいた軍艦。なので、終戦後は、新聞などで盛んに取り上げられた。ところがそういう記事には間違いが多く、それをなんとかしないとという意識で活動が始まった。
- 30〜40年くらい前は、小学生向けの本によくミリタリーネタが使われていた。大和も定番で、ストーリーの基本は吉田満。ところが現在の小学校図書館では、ミリタリーは禁止されている。図鑑でも軍艦は削除されている。
- 吉田満はアニメのヤマトにはあまり良い印象を持っていなかったらしい。
- 旧海軍は、改装と称して戦艦をローテーションで各工廠に入れていた。これは技術者の技量確保のために実際の艦に触れさせていたもので、作らないのはよいが作れないのは良くないという海軍の方針のため。別に品質が低くて稼働率が低かったのではない(あと、新造艦のための試験のため、改造で新機能を試したという面もあるようだ)。
- 実際、大和建造時の効率(作業量に対する処理効率)は非常に高かった
- 伝説としての存在となったのが大和の人気の理由。
- どんなものにも良い面と悪い面がある。大和の建造技術は実際一流だったが、使い方は良くなかった。
- 大和の失敗の一つは、抑止力として機能させるべき戦艦を秘密にしたこと。これでは抑止にならない。