金曜日付で
本件は、新聞やTV等において「空間除菌 根拠なし」という見出しで、あたかも二酸化塩素に空間除菌効果がないと捉えられる様な報道が散見されますが、消費者庁からの指摘は、二酸化塩素の効能・効果を問うものではなく、広告表現の適切性の問題であり、弊社製品から放出される二酸化塩素分子が空間中のウイルスや菌を除去し、消臭及びカビの生育を抑制するという製品性能には一切問題なく、製品回収の指示も受けておりませんのでご安心下さい
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120140328028966.pdf
というリリースを出している。
しかし、消費者庁のリリースには、
大幸薬品に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、大幸薬品は、当該期間内に表示に係る裏付けとする資料を提出したが、当該資料は、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであった。
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/140327premiums_4.pdf
とある。
「表示の裏付けとなる根拠がない」と指摘されたのに、「製品性能には一切問題なく」のはずがない。
ググってみたら、3年半前に国民生活センターが
事業者への要望
二酸化塩素による除菌をうたった商品−部屋等で使う据置タイプについて−(商品テスト結果)_国民生活センター
二酸化塩素の放散がほとんど確認できなかった銘柄や使用開始当初に放散速度が大きくなるものもあった。日常生活の中で消費者が適切に使用できるよう、商品の安全性と有効性について十分に検証をするよう要望する。
安全性に関する表示・広告が、一部の成分のものか商品自体のものかが不明確な銘柄があった。商品としての安全性を表記するよう要望する。
商品の表示や広告に特定の感染症についての予防効果等、薬事法に抵触するおそれがある表現がみられたため、改善を要望する。
というのを出している。つまり、一旦注意を受けたのにもかかわらず、ということで今回の指摘に繋がったのだろう。
実際のところ、効果が出るほどの濃度で二酸化塩素なんか発生させて、呼吸器系の弱い人とか本当に大丈夫なんだろうか、というのが気になるけれど、そういうのは見つからなかった。
一応、ここ(http://www.seirogan.co.jp/medical/eisei.html)に学術データはあるけれど、製品の有効性・安全性ははっきりとは書かれていないようだ。
(二酸化塩素の有効性を疑う人は少ないだろう。問題は、例の製品が有効か安全か、なのだ)
例えば、『低濃度二酸化塩素ガスを用いた空間浄化の新提案 逆瀬川 三有生, 三浦 孝典, 柴田 高 アレルギーの臨床 31(7), 56-59 (2011).』とか『 Effect of chlorine dioxide gas of extremely low concentration on absenteeism of schoolchildren Norio Ogata and Takashi Shibata. International Journal of Medicine and Medical Sciences Vol. 1(7) pp. 288-289, July, 2009』いう論文が掲載されているが、さすがにこれで有効性と安全性を認めろというのは無理(事業所1件、教室1件)で、そもそも論文中にももっと研究が必要だろうという旨のことが書かれている。
大幸薬品の第3四半期報告書(http://v3.eir-parts.net/EIR/View.aspx?cat=yuho_pdf&sid=2013422)を見ると、クレベリンを含む「感染管理事業」の3か月の売り上げは約17億円。これだけの数が出ていて、もう数年も売っている商品なのだから、大きな安全性の問題はないとは思う。(あったら、もう見つかっているはず。)
一方で、これだけ売れているのだから、もうちょっときちんとした検証データがあるはず。それを出せば良いと思うけどね>大幸薬品