k-takahashi's blog

個人雑記用

明文術

明文術 伝わる日本語の書きかた

明文術 伝わる日本語の書きかた

 タイトルの意味は「名文」ではなく、「明文」を書く技術を解説する本である、という意味。巻末には、コミュニケーションの基本ルール7つと、明文文書技術に関する67のルールがまとめてある。想定読者層は、おそらく学生なのだと思う。
技術系文書術の本は色々とあり、基本的にはそれほど違いがあるわけではない。本書もそのうちの一冊となるもので、画期的とは言わないが安心して推薦できるレベルの仕上がりになっている。本書自体をサンプルにした解説もあり(有名な「理科系の作文技術」(名著です)が、主張しているとおりには書かれていないのとは対照的)、実例も「本書のどこどこをこう書き直すと」となっており、すぐにチェックができるのが嬉しい。お薦めです。


 なので、ちょっと面白いと引っかかった部分のみ下記に引用します。

  • 明文は、起承転結はだめ(p.45)

 結起承承結、が良いそうです。明文の場合、結論は最初に、論理の飛躍は禁止、ですからこうなりますね。

  • 校正と推敲は紙に印刷して行う。(p.75)

 パソコンの画面で行うと、編集とチェックが混ざってしまうからだめだ、という理屈付け。なるほど。

  • ある国際標準の策定に関わったが、アメリカ人はわずか1ヶ月で、何百ページもの提案書を出してくる。この背景には明文作文教育があるのではないか(p.164)


 個人的には、漢字とかなの使い分けの不徹底の部分を読んで「まずい」と思いました。はい、気をつけます。