k-takahashi's blog

個人雑記用

スティーヴン・キング 8つの悪夢

 WOWOWで集中放映されたキング原作のTVショートシリーズ。http://www.wowow.co.jp/drama/nightmares/
キングの短編集 "Nightmares & Dreamscapse"を元に2006年に放映されたもの。但し、うち3話(「バトル・グラウンド」、「ロード・ウィルスは北に向かう」「解剖室4」)は別の短編集からとられている。


 日本で言うと、世にも奇妙な物語に相当するのだと思うが、日本側のあれがだいぶ安っぽい画面になっているのに対し、非常にきちんと作られている。そもそも比べるのが失礼という意見もありますが。ただ、全体のコンセプト的には、トワイライト・ゾーン的な色々な異常なストーリーを様々な手法で表現するという点は共通しているので、あの「世にも」が好きな人なら楽しめると思う。
 「バトル・グラウンド」は台詞無し、「クラウチ・エンド」は不安定な映像、「争いが終わるとき」はドキュメンタリーっぽく、「第5の男」はリドル・ストーリーっぽい展開、という方法を使っている。内容もホラー(クラウチ・エンド)からクライム(第5の男)、皮肉な結末(争いが終わるとき)など。


 細かい部分だと、「クラウチ・エンド」に出てきたクトゥルフ単語とかは愉快でしたし、怪しげな世界の雰囲気描写、怪しげな世界から現世の片鱗がチラチラ覗く部分、そしてそこに抜けだそうとしてもがく部分、などなどいかにもな感じで参考になります。
「いかしたバンドのいる街で」は往年のロックスターが出てくる演出なのですが、少々日本人には辛い演出でした(正直、プレスリー以外はピンと来ない)。


 一本お薦めするとしたら「バトルグラウンド」かな。殺し屋が一仕事終えて部屋に戻ると、ミリタリーフィギュアのセットが送られてくる。そのフィギュア達が突如彼に襲いかかる。フィギュアたちの妙なリアルさと、切り傷や火傷の積み重ねという嫌な感じの痛さ、そして目的が分からない不気味さ。フィギュアのできと最後まで緊迫感が続く演出は見事。なお、この第1話だけ少々時間が長めです。