- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/09/25
- メディア: 雑誌
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さらに、牧眞司氏の「バラード読書ガイド やさしいバラード」も面白い。
- 内宇宙って、いったいどこにあるんだろう
ひとは風景を見ているとき(あるいは生きているとき)自分は「内」側から「外」側を覗いてると思わないだろう。ただ、そこにいると感じているだけだ。さらに、これはそう頻繁に起こることではないけれど、ある瞬間に眺めている対象との距離が消え失せ、自分と世界がわかちがたく結びついていると感じるときすらある。 ”内宇宙”とは、せんじつめればその実感だ。
- 定石を捨てよう、コードをはずそう
バラードの作品のほとんどにおいて、ひとりの主人公(視点人物)以外は、奥行きのある心性を備えた人間というよりも、自然・欲望・観念の化身として立ち現れる。ざっくりとまとめれば、『楽園への失踪』のドクター・バーバラは、『結晶世界』の結晶化する森のような、風景の一部なのだ。
- さあ、健忘症になりなさい
「記憶を失い」あるいは「健忘症をわずらう」とは、予断を持たないということだ。自分がだれか、ここがどこか、車輪とはどういうものか、そうした知識(先入観)を振り捨て、虚心に眺めて考える。
でも、濃縮小説は、やっぱりよく分からない。