k-takahashi's blog

個人雑記用

仕分けの何が問題か

http://d.hatena.ne.jp/k-takahashi/20091113/1258213145#c で幾つかコメントをいただいたので追加エントリー。


 例の仕分けにはいろいろな問題があるが、説明担当者のプレゼンが下手だという主張にも一理あって、全文を読んだわけではないがまとめ記事とかを見ている限りでは、もうちょっときちんとやってくれとは思った。
でも、一番きちんと対応したであろう毛利館長への反応や結論を見る限りでは、やっぱり仕分けをしているこいつらダメだろうと思わざるをえない。そして、そもそもの仕分け対象をどうやって選んだのかも不明確で、この作業自体が変じゃないかという疑いが強い。


 要するに、仕分け自体の目的や妥当性の問題、仕分け担当者の能力ややりかたの問題、説明担当者の説明の仕方の問題と幾つか階層があって、ほとんど全部に課題があるわけです。もちろん、それぞれ個別に論じることは可能ですし、良い点悪い点をいくつか挙げることは可能です。(これをやったこと自体に意味があるという意見はあり、そこには同意できますが、それもまた別の階層の話。)


 しかしながら、階層的になっていることは事実で、だとすれば上がおかしいときに下をどうこうしても全体としては改善しません。これは、事業でも、軍事でも、開発でも同じ。社の経営方針がおかしいのか、中間管理職がダメなのか、現場の活動がダメなのかというのは、個別に検討できます。現場の活動に改善を求めることもできます。でも、経営方針を立て直す時間を稼ぐために現場に頑張らせるというのはありえますが、経営方針の方が優先度が先でしょう。ましてや、経営方針がおかしいという指摘に対して「現場が文句を言うな。おまえらの書いた提案書の書き方が下手なんだ」などと言い出すようなら、その会社の先は見えています。


 だから、まず仕分け作業自体の目的とプロセスをきちんと決めろという意見になるわけです。スーパーコンの予算が復活するのしないのということを言い出している議員がいますが、なら、それは今回の手続きのどこに問題があり、どう直すかまで語らないと意味がない。あの京速プロジェクト自体には異議を唱えている人は多いですし、私もあのプロジェクト自体は見直しで良いと思います。ただ、結論の是非以前に、その決め方が変だろうと言うことなんですよ。