- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/01/25
- メディア: 雑誌
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アードマン連結体は、タイトルと途中に挿入される描写とでだいたいネタは分かるものの、群像劇的手法で怪奇現象を描写していくのが面白い。登場人物に老人が多いので、人生経験を持ちつつ感情的という描写が可能になっている。サイファイチャンネルあたりで映像化してもおかしくないような話。
「マン・イン・ザ・ミラー」は、火星縦断のランディスらしい短編。ハードSFとして律儀だなと思うし、最後のオチも効いている。
「26モンキーズ」は、私の苦手なタイプ。上手いとは思うが。
「光線銃」は、本物の光線銃を手に入れてしまった少年の成長物語。主人公の微妙な駄目っぷりや科学と文学とSFとが混ざったラストも含めて、読者賞を取ったというのに納得の一作。あと、ディアナの顛末を読んで「ざまあみろ」と思った人は、きっと少なくはないと思うよ、うん。
もう一つ、オールタイムSF映画ベスト50座談会というのも掲載されている。選者は、高橋良平、添野知生、柳下毅一郎、鷲巣義明、渡辺麻紀。
結果よりは、選定理由の語り合いの部分が面白いというのも、いつもの通り。
柳下氏の発言より引用。
この順位のキーポイントは、「2001年」と「ブレードランナー」と「スター・ウォーズ」をどこに置くべきか、ということだと思ったんです。それぞれを何位に置くか自分の中で決めて、それより上か下かと判断していくと絶対評価ができるんじゃないかなって。(p.219)
さすがに、30位くらいまではほとんど見ているが、それ以下だと特に70年以前の作品は見ていないものがポロポロと。なお、邦画だけとりだすと、
ギャラクシー・クエストは49位でかろうじて入賞。