k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 2011年08月号

Newton (ニュートン) 2011年 08月号 [雑誌]

Newton (ニュートン) 2011年 08月号 [雑誌]

創刊30周年記念号。本当は先月号からだったはずなんだけれど、震災合わせで一月遅れ。人気の「宇宙」ネタを2号連続で。今号は前編で宇宙の大きさを説明している。
ありがちと言えばありがちな企画なのだけれど、常に「方向」と「3次元的位置」を意識した図になっていたのが面白かった。例えば、38ページには光世紀範囲を示す図が載っているのだが、銀河中心方向と銀河平面から垂直方向へのずれがきちんと書き込まれている。84ページにある132億光年離れた銀河(UDFj−39546284)が地球から見てどちらの方角なるかも書いてある。この徹底ぶりはいいなと思う。


短信で面白かったのが、「形の認識」の話

生まれつき目の見えない被験者達の視力を手術で回復させた。その後、博士等は被験者に味覚誌をして、物体を触らせた。そして目隠しを外し、触ったものはどれかを選ばせた。すると、ほとんど正解できなかったという。触ったときのイメージが、視覚を担う脳の領域に送られなかったとみられる。(p.7)

もっとも、すぐに適応するのだそうです。


連載の癌治療の第3回は、免疫利用療法。患者の体から免疫細胞を取り出し、T細胞は増殖強化し、樹状細胞は手術で摘出したがん細胞を攻撃するように調整し、その上で両者を患者に戻すという治療法があるのだそうだ。
さらに、がん細胞の種類により治療法をテーラーメイドする方法も実用化が進んでいるらしい。
もっとも、例によって日本では認可が遅れている。


地震関連記事では、津波のメカニズムの2つの説を紹介している。
プレート境界面が60メートル動いた説と、分岐断層に従って急角度にずれたという説である。前者が有力だが、まだ結論は出ていない。


他に、カンブリア紀で絶滅したと思われていたアノマロカリスが実はデボン紀まで生き延びていた説とか、微生物が実は加速度に非常に強く(最大40万Gに耐えた)岩石が惑星を飛び出して生命を伝えたという説を補強するとかの話題も面白かった。