k-takahashi's blog

個人雑記用

はやぶさ後継機に関する予算の状況について

はやぶさ後継機(はやぶさ-2)への政府・与党の考え方が報道されている。大幅 に縮小すべきだという信じがたい評価を受けていることに驚きを禁じ得ない。
(中略)
政府・与党の意見には、はやぶさ-2 に科学的な意義を見いだせないというものまであったという。まことに信じがたいことである。
(中略)
はやぶさ初代が示した最大の成果は、国民と世界に対して、我々は単なる製造の国だったのではなく、創造できる国だという自信と希望を具体的に呈示したことだと思う。
自信や希望で、産業が栄え、飯が食えるのか、という議論がある。しかし、はやぶさで刺激を受けた中高生が社会に出るのはもうまもなくのこと。けっして宇宙だけを指しているのではない。これまで閉塞して未来しか見ることができなかった彼らの一部であっても、新たな科学技術で、エネルギー、環境をはじめ広範な領域で、インスピレーションを発揮し、イノベーション(変革)を目指して取り組む世代が出現することが、我が国の未来をどれほど牽引することになるのかに注目すべきである。こうした人材をとぎれることなく、持続的に育成されていかなくてはならない。
震災の復興が叫ばれている、その通りだ。即効的な経済対策にむすびつかない予算は削減されがちである。しかし、耐え忍んで閉塞をうち破れるわけではない。

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多少言葉が強すぎる感もある。論旨はともかくとして、それが「はやぶさ−2」なのか、という意見もあるだろう。
それでも、川口淳一郎という漢があえて口にした言葉に対し、政治家は何か言葉を返す義務があるはずだ。


よりにもよって同じ日にこんなニュースが流れた。

 日本発の画期的な医薬品作りを目指す内閣官房医療イノベーション推進室長の中村祐輔・東京大学医科学研究所教授(59)が、室長を辞任して来年4月から米シカゴ大学に移籍することが12日わかった。
(中略)
 中村教授は、ゲノム(全遺伝情報)研究の第一人者で、国際ヒトゲノム計画でも中心的な役割を果たした。中村教授は「国の制度や仕組みを変えようと頑張ったが、各省庁の調整機能さえ果たせず、無力を感じた。日本で研究した新薬を日本の人たちに最初に届けるのが夢だったのだが。せめて米国で新薬を実現したい」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20111212-OYT1T00551.htm

この2,3年、研究者の海外流出が本気で懸念されていたが、どうも本格化しそうだ。