k-takahashi's blog

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宇宙就職案内 〜視点は面白いけれど

宇宙就職案内 (プリマー新書)

宇宙就職案内 (プリマー新書)

「仕事場としての宇宙」という切り口で、あまり知られていない関連情報をまとめよう、という切り口は良いと思う。「天文学者とはどんな仕事か」「天文学者になるにはどうするのか」「宇宙飛行士は?」「ロケット開発者は?」というあたりをざっとまとめてくれている。


よく言われる「アポロ以降、いったい宇宙飛行士はどこにいっているのか?」という話にも

注目して欲しいのは宇宙飛行をした人類の「延べ日数だ」。約3万8千日。一年は265日だから一人分とすれば100年分を宇宙で過ごしたことになる。実際には525人が1361回宇宙飛行をした日数なので一回あたり約28日という計算になる。
つまり、1970年代以降、人類は「遠くの宇宙」を目指すかわりに「宇宙に暮らす」ことを選択したのだ。(p.49)

と綺麗な説明を行い、そこから「宇宙な仕事」という本書のメインに繋げている。小型衛星開発やリモートセンシング活用などの紹介もある。


一方、技術的、歴史的な部分については軽く流しており、「あれ?」と思う部分も多い。きっちり俯瞰して作った一冊というよりは、著者の関心にある範囲、取材した範囲をまとめたもののようだ。
同じ著者に「宇宙の歩き方」*1という本がある。ちょっと古いのだが、カタログ的に色々とまとめてあり、イラストや写真も満載なので、あちらの方がお薦めかな。

*1:

宇宙の歩き方

宇宙の歩き方