k-takahashi's blog

個人雑記用

論文は撤回されたが

『Food and Chemical Toxicology』誌は、遺伝子組み換え(GM)トウモロコシを与えられたラットに腫瘍ができたと主張する論文の掲載を撤回した。研究手法に対する批判を受けてのことだ。

「GMトウモロコシで発ガン」論文を科学誌が撤回|WIRED.jp

運動家が大喜びした(セラリーニでググると幾つも見つかる)論文ではあったが、当初から研究手法に疑義が呈されていた。


加えて、メディアを悪用しようとした疑惑もあった。一年前の記事だが、

「Nature」(10月10日) は、自誌がSéralini教授から論文へのアクセス権を与えられていなかったことを、わざわざ表明している。
 さらにSéralini教授が、自著新刊「Tous Cobayes!(我々はモルモット!)」(9月26日発行)と、この実験も挿入されているドキュメンタリーフィルム「Tous Cobayes?(我々はモルモットか?)」(9月29日公開)の宣伝効果を狙って、巧妙にメディアを操作したという許しがたい疑惑も浮上している。

科学にとっての悲しい日。 メディアにとってはもっと悲しい日~Séralini事件(上) | FOOCOM.NET

と書かれている。


今回の論文撤回自体は、研究不充分という指摘にとどめているが、レビュー体制もちょっと問題あり。この手の運動家は、一旦論文が掲載されると、あとで否定されようが撤回されようが、お構いなしに宣伝に使い続ける。それが分かっているのに、なんでこんなレビューしてしまったんだか。

そして、モンサントの陰謀云々を主張する人がいるが、セラリーニ教授の背後(上記のfoocomの記事に記載されている)にもちょっとは気を配るべきだろう。