- 作者: 藤井太洋
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/04/24
- メディア: Kindle版
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主人公の林田は、遺伝子を設計して任意の模様をデザインする仕事をしている(これが、Gene Mapper)。
携わっているマザー・メコン農場でのプロジェクト(「完全有機農業」「水質保全」「有機表土」「非二酸化炭素排出」「地域経済保全」の5つの認証を得ている野心的なプロジェクト)で作物に異常が発生したとの連絡を受け、急遽現地での調査に協力することになる、というところが発端。
初期のホーガンを彷彿とさせる、真実を追究する技術者達の姿。そして、歪んだ価値観と自己中心的な動機で動く卑劣な悪役。というある種のステレオタイプ的なキャラ設定ではあるが、拡張現実や旧インターネット、蒸留作物の設定がうまくストーリーに絡んでいて面白く読める。
最後の部分については、ネタバレを避けると書くのは難しい。「○ー○○○ー○」とか「○○の○○の○」とかで悪漢の陰謀を思想的に粉砕するのは痛快。