k-takahashi's blog

個人雑記用

風説・風評との戦い

味の素第7代社長の歌田勝弘氏のインタビューの公開が始まっていた。第1回は、創業以来続いていたという風説・風評との戦いの話。

味の素株式会社(以下、味の素社)第7代社長(1981〜1989年)を務めた歌田勝弘氏に味の素社の歩みを聞き、永続するブランドと企業活動の秘訣を探った。
第1回は、味の素社が創業期から相次いで見舞われた風評・風説にいかに対応してきたかを聞いた。

http://www.foodwatch.jp/secondary_inds/37130


インタビュー中には、創業直後の「原料ヘビ説」に始まり、オルニーのグルタミン酸ソーダ有害説、チャイニーズ・レストラン・シンドロームグルタミン酸ソーダ原因説、などとの戦いの様子が語られている。どれも10年単位での対応をしており、地道な努力を続けたことになる。
記事中にはないが、今でも怪しげな陰謀妄想を繰り広げる連中は存在する。


また、偉いのは、根拠がはっきりしないものは有利なものでも使わないという方針を貫いたこと。

 あの頃、私は営業の第一線にいたのですが、「リーダーズ・ダイジェスト」の記事を読んだときの正直な気持ちを言えば、「これはうまい話が来たな」と思ったんです。ところが、トップからは絶対にその話を営業に使ってはいかんという命令が出たのです。ですから、会社としてはこれを宣伝には一切使いませんでした。
 ブレイン・メディシン説は、グルタミン酸ソーダアミノ酸の一種だから、これに頭の働きをよくする効果があるだろうといった話です。それをある科学者が言い出したことには違いありませんが、実験を重ねるなど深い追究はしていない話ですから、この説をうっかり宣伝に使うのはまずいという判断だったのでしょう。

http://www.foodwatch.jp/secondary_inds/37130/3

これは立派だと思う。食の安全・信頼のためにはこういう態度が大事。
風評加害者の多くが歪んだ正義心と商売目的とを抱えていることを思うと、その対極にある態度だと思う。私は、この味の素の方針を応援する。