k-takahashi's blog

個人雑記用

グーグル、アップルに負けない著作権法 〜ユーザはどこへ?

知的財産制度が唯一の武器
(表紙、より)

だそうだ。この表紙を見たときに、もうユーザの視点とかUXとかいうものでは負けを認めたということのようで、随分と後ろ向きの発想だなと思ったのだが、残念ながら中身もその方向性だった。

グーグル図書館プロジェクトの問題を早急に解決して欲しい。日本語図書を対象外にすることをお願いする。(No.1989)

そして、グーグルの検索対象から角川の本を外すことを「成果である」(No.1997)と誇っている。
角川の本の一節をググったときに、角川の本がひっかからないのは、角川の成果だそうだ。やれやれ。

著作権法特許法を国内法から万国共通の国際法へと拡大し、新しい知財法で対応するしかない。そしてモンスターには独占禁止法をはじめとする国際的な歯止めが必要になる。
(No.2510)

ギャング4に問題なしとは言わないが、「あいつらを規制しろ!」「自分たちの既得権は死守する!」という内容が大半という本は、正直がっかりだった。
面白いのは、テレビの利用についてはユーザ視点がちゃんと持てているところ。なので、余計に自分に関わる既得権死守のところが浮き上がっている。岡目八目とは良く言ったものだ。


内容的には面白いところも多いので、一読する価値はあると思います。当事者としてどういう苦労をしているのかとか、それがいつ頃のことだったのかとか意外と詳しく書かれています。(事実誤認の部分もチラホラある。ただ、全体が主観的に書かれている一冊なので、「当事者である角川歴彦は、そういう風に見ていた」と捉えればよいのだし、そういうところに価値がある一冊だと思う。)


でも、私は、もうBookWalkerで買うのは止めることにします。(角川は他のところで読むのは認めない方針のようだから、あとでKindleで買い直す羽目になりそうだけれど、まあしょうがない)
角川が望む未来は、正直言ってあまり魅力的ではないので。